法務省によって「相続法制検討ワーキングチーム」というものが設置されたようです。

1月下旬に第1回目の会議が開催され、その議事要旨や資料が公開されています。

設置の趣旨として次のように述べられています。

「第185回国会(臨時会)において,嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分と同等にする民法改正が行われました。この民法の改正に際しては,各方面から,法律婚を尊重する国民意識が損なわれるのではないか,配偶者を保護するための措置を併せて講ずべきではないかといった様々な問題提起がされました。そこで,相続法制の在り方について検討を進めるため,家族法研究者や一般有識者等の協力を得て,この『相続法制検討ワーキングチーム』を設置することとしたものです。 」

 

資料を見ると、検討課題として、

「生存配偶者の居住権を法律上保護するための措置」

「配偶者の貢献に応じた遺産の分割を実現するための措置」

「遺留分制度の見直し」

といった項目が並んでいます。嫡出子・非嫡出子の相続分の改正をきっかけとして、広く議論をすることを目的としているようです。

 

議事要旨を見ると、遺産分割、寄与分、夫婦財産制度のありかた、さらには相続税制などについての意見も出されているようで、たいへん広い議論になるように思われます。

 

読んでいると、そもそも家族のあり方についての話や、夫婦関係についての考え方というところから考えないと合意形成できないような領域もあると思います。

どのような議論が展開されていくのか是非見ていきたいです。

土地や建物の所有権が移転した場合、その名義を変更するには法務局に名義変更の登記申請をするわけですが、そうすると誰がどういった申請をしたかということが明らかになりますので、税務署にもそれが知れるところとなります。

また、売買や贈与によって所有権を移転すると、場合により譲渡所得税が発生したり、贈与税が発生したりします。

すると、どの土地が誰から誰に名義変更されたかを調べて、税金が発生しそうなケースにおいては税務署から納税の案内やお尋ね文書が届いたりすることがあります。

 

昨年あたりから、登記を済ませたお客様から、「税務署のお尋ねが届いたんだけど」という電話を受けることが多くなったような気がする・・・のは僕だけかなあ。

割合的に増えたと感じるのだから、税務署から発送している件数も増えているんではなかろうか。

 

税務署に聞いたとしても「そんなことはないですよ」って返ってくるのだろうし、そもそもそんなことを聞いても別になんにもならないのでわざわざ聞きもしないけど。

でも来週から所得税や贈与税の確定申告の受付がはじまるので、税金が発生するケースにおいてはきちんと申告しとかないといけないですね。お尋ね文書などが来ているようなときはとくに。

税務署が混み合う前に行きましょう。

そういう僕はいつも3月15日の午後に提出していますがww

こんな質問がありました。

「遺産分割協議はやり直せるのでしょうか。」

 

はい、やり直せます。一度遺産分割協議をすると、その効果は相続開始のとき、つまり被相続人の死亡のときに遡ってその効力を生じます。しかし遺産分割協議を相続人の合意により解除し、再度の遺産分割協議をすることも法律上可能です。

 

最高裁判所も裁判例(最高裁平成2年9月27日民集44巻6号995頁)において「共同相続人の全員が、既に成立している遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることは、法律上、当然には妨げられるものではなく、・・・」としています。

 

ですので遺産分割協議のやり直しは否定されるものではありません。

 

福井県司法書士会の主催による「相続登記はお済みですか月間」が実施されます。

実施期間 平成26年2月1日(金)?28日(土)

相続登記を何代にもわたって放置しておくと相続人が増えてしまい、権利関係が複雑となり、後日において権利移転をしようにもスムーズにできないなど、様々な障害が発生しかねないことから、相続登記が放置されていないかどうかの確認を呼びかけて、できるだけ早い時期に登記手続を行ってもらうよう啓発することを目的としています。

期間中、各会員事務所(当然ウチの事務所でも)にて、相続に関する無料相談を行っています。
また、司法書士・公証人による「相続・遺言無料合同相談会」が開催されます。

「相続・遺言無料合同相談会」
日時:平成26年2月15日(土)午前10時?午後4時
場所:福井県繊協ビル 8階803号(福井市)
    鯖江市嚮陽会館 2階和室(鯖江市)
    プラザ萬象 第2会議室(敦賀市)  

前から「相続手続しなきゃなあぁぁ」、とずっと気にはしていたという貴方、広報紙や新聞などでも告知されるのでご覧いただき、ぜひご利用ください。

いつかはあげないといけない重い腰をあげてみましょう。

昨日12月28日、現地調査に行ってきました。今年最後の仕事はこれです。

現地調査ってなんの現地調査かといいますと・・・

 

民法に「不在者の財産管理人」という制度があります。

(不在者の財産の管理)
第25条  従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2  前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

簡単に言えば、それまで生活していた場所から居なくなった、つまり行方不明になった人が残した財産がある場合に、その財産について管理をするための管理人を選任することができるということになっているのです。

 

 

そして僕は先日、この規定に基づいてある人(行方不明者)の管理人に選任されたので、その人の名義の財産の管理のために現地調査に行ってきたというわけです。

こういうことは相続手続のなかでたまに遭遇します。相続人の一人が行方不明であり、相続手続などができない、ということです。例えば遺産分割協議においては相続人の一人でも欠けると無効であり、相続人のなかに行方不明者がいればそのままでは遺産分割協議ができないわけですね。

 

僕が管理人として就任した、その本人(行方不明者)には土地・家屋があったのです。それも県外に(^_^;)
 

一般に利用される遺言には公正証書遺言と自筆証書遺言がありまして、それぞれの違いは・・・・などというのは過去にこちらでも書いていますが、大きな違いの一つに「自筆証書遺言では検認手続が必要になる」ということがあるでしょう。

 

検認というのは一種の証拠保全でして、相続人に対して遺言の存在やその内容を知らせて、相続人の立会いのもとにその時点での遺言書の状態を明確にし、遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。そして、この検認手続というのは、遺言の内容が有効なものであるかどうかを判断する手続ではありません。ですから検認を受けたとしても遺言の記載内容が曖昧だと遺言の執行をする際にうまくいかないこともありうるわけです。

 

遺言の検認を請求するには、遺言者の相続人を明らかにしなければなりません。

そして家庭裁判所から相続人に「検認期日(検認を行う日)」が相続人に通知されます。

相続人を明らかにするということはその者らの戸籍などを取り寄せないといけないわけで、相続人が例えば兄弟姉妹のようなケースでは、これを自分でやろうと思うとなかなかたいへんです。

兄弟が何人もいて、さらに先に死亡している兄弟がいればその人の相続人まで対象者となります。戸籍法10条の2の規定に基づいてその必要性を明らかにして順次必要な戸籍を取り寄せていく作業が必要になります。

しかも、遺言書が封印されている場合は検認期日までは開封もできませんから、この作業を遺言の内容がわからないまま進めなければならない場合も考えられます。

やっとお金と手間をかけて戸籍を集めて検認の請求をしたけれど、開封してみたら自分には関係ない内容の遺言だった、、、などということも考えられないわけではないですね。

 

このことを考えると、公正証書作成にかかる費用や手間のほうが検認申立にかかるそれよりもずっと少ない場合もあると思います。

検認の請求は(当然のことですが)遺言者がやるのではなく相続人がすることになるわけで、遺言者からすれば費用のかからない自筆証書遺言でもいいじゃん、と思うかもしれませんが、検認手続をする相続人にとっては、(相続人の範囲にもよるが)結構な負担となる場合もあります。

このあたりは自筆証書遺言で済ませるか、公正証書遺言で遺言するか、重要な比較ポイントだと思います。

土地のなかには様々な名義になっている土地があります。

通常は実在する個人や法人名義です。しかしそうではない名義のものもあります。

こんなこと書くと、「じゃ誰がその土地を所有しているんだよ?」と思われるかもしれません。

例えばこんな名義があります。

「〇〇区」  「大字〇〇村」(「大字」=「おおあざ」と読む)  「〇〇村共有地」 

「〇〇他 45名」(〇〇=個人名、他45名が誰なのか不明)

こういった名義の土地は「一村共有地(いっそんきょうゆうち)」とか「記名共有地(きめいきょうゆうち)」などと呼ばれます。

これらの土地がなぜこういう名義で登記されているのか、それは個々の土地についての過去の経緯により異なりますが、おおよそ次のようなものによります。

日本は明治になって近代的な土地所有権が確立されるに至りますが、日本では古くから、その部落に属する人だけが利用できる土地(山林など)がありました。つまり、その村の構成員だけがその土地に入って薪を取ったりして利用するのです。これを入会地(いりあいち)といいます。

こういった土地は村全体で所有しているもの、という意識のもと、「〇〇村」や、もっと直接的には「〇〇他 45名」などと登記がなされたわけです。この所有形態は通常の共有とは異なり、「総有」などと言われます。共有と違うのは、「持分の自由な処分ができない」「持分の分割請求ができない」という点にあります。もちろん「他45名」も当時はそのメンバーがはっきりしていたわけですが、長い年月を経るなかでそれを記載した台帳が不明になってしまったりしているのです。

そして明治期から現在に至る各時代の法制の変遷により、現在どういった者の所有に帰属するのかがはっきりしなくなってしまっています。この法制などの変遷過程は複雑を極めます。

 

こういった土地をきちんと実在する団体(例えば地縁団体)などの名義にしようとする手続はすっごくたいへんです。

こういう手続を我々は「処理困難事件」と呼んでいます(あまりにそのままな名称ですが)。

所有実態を探り、本当に所有権が帰属すべきなのは誰か、そしてその人あるいは団体の名義にするにはどういう手続を踏めばよいか。

ときには裁判をする必要も出てきます。まさに「処理困難」なのです。

「〇〇区」などの名義であればその地区の構成員全員を手続に関与させたり、「〇〇他45名」ならばその他の45名を割り出したり・・・

仮に「他45名」の氏名が判明していたとしてもそれらの人はほぼ死亡していますから、相続人を追わねばなりません。相続人が判明したとしてもその数は全員で100名、200名規模になったりします。

 

相談者にこういった話をすると、「なんでそんなたいへんなことしなきゃいけないんだ。」とか、ときには「司法書士なら法律変えたりして簡単に手続できるようにしろ」などと責められることもあります。。。

法律つくるにはまず議員選挙に出ることから始めなきゃいかんな、とか思いつつも現状どうしようもありません。困難な処理をするしかないのです。

特例民法法人の一般社団・財団法人への移行、または公益社団・財団法人への移行の手続をこの4月1日に行う予定の法人は多いと思います。

現在法務局でもそれに向けて対応がされています↓

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00071.html

福井地方法務局からも各法人に対して事前相談の案内が送られているようです。

 

県内でも多くの法人がこの4月1日に移行による設立の登記を申請することとなると思います。

これに関連して私のもとでもいくつか悩ましいことが、、、

移行に際しては主務官庁が移行の申請を受け付けて認可・認定がなされていきますが、移行の申請の際に作成された新定款(これが4月からの法人の定款になる)に、移行の際に必要となる記載が欠けていたりするケースがあります。

簡単な訂正でもどうやら差し替えは困難なようで・・・

 

さて困った、どうするかな。。。

4月に移行予定の法人は既に移行の答申も出ている法人ばかりかと思いますが、答申が出たからもう万事OK、ということにはならないのでご注意。

今年の税制改正では相続時精算課税制度の対象者に孫も加えることが検討されているようです。

相続時精算課税制度は、子が親から生前贈与を受けるときに、将来発生する相続税とあわせて精算することを前提として、2500万円までの生前贈与を非課税とするものです。

「親」から「子」への贈与が対象となっており、「親」は65歳以上であること、「子」は20歳以上であること、が要件です。

今回の改正で検討されているのは、この制度を「孫」への贈与にも拡大するというものです。さらに親について65歳以上という要件を60歳以上にまで広げようとするものです。

生前の贈与を促して資産を若年層に移し、どんどんお金を使ってもらおうという趣旨です。

これはたしか2011年の税制改正大綱にも入っていましたね。でも法改正に至らなかった内容です。

相続税もそうだけど、ここ数年同じような内容の改正が毎年の税制改正大綱に入ってくるけれど一向に法案の成立には至らない。ほんとにいつになっても決まらない政治です。

 

ちなみに先日のMr.サンデーを見てたらこのことに関連してカナダの税制が取り上げられていました。

それによればカナダでは贈与税が存在しないらしい。

贈与税がないってことは、相続税もおそらくないのだと思います。生前に全て贈与してしまうことが可能ならば、死亡時に相続財産をゼロにすることもたやすくできるわけで、そうなると相続時にかかる相続税などあっても意味がないからです。

親やじいちゃんから高級車などの物品をもらっている若者の生活が放送されていました。うらやましい。。。

新政権発足により今年は新たに自民党の税制調査会で所得税や相続税の改正も議論されています。

去年までは民主党政権のもと、政府税制調査会で相続税などの改正議論がされてきましたが、このブログでもこれまで何度も書いているとおり、複数年をまたいでも相続税の改正には至っていませんでした。

現在は民主党政権での案をもとに議論がされているようですね。主に最高税率の引き上げと基礎控除の縮小です。

これも何度も書いているのでもう改めて書かないですが、基礎控除についてはこっちを見てください。

いずれにしろ増税の方向に向いている矢印自体は変わりません。

 

予算もまだ成立しておらず時間もないから多分大枠は変わらないのでしょう。

今年はついに相続税の改正成る、でしょうかね。

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